春には桜並木の可憐な彩りが広がり、市民の憩いのスポットとして親しまれている本川エリア。
本物件は、平和の象徴である平和記念公園そばに、過去から未来へと移りゆく風景があるこの地に誕生しました。
国際平和都市・広島の象徴である「原爆ドーム」や、
「平和記念公園」がある本川沿い。
「ひろしまゲートパーク」や
「エディオンピースウイング広島」など、
周辺では近年、
都心の魅力を高める新施設が続々と開発されています。

CONCEPT
世界遺産「原爆ドーム」前の相生橋そばという立地特性を鑑みつつ、
伝統と進取の気風を併せもつ建築デザインを追求。
開放的なかつ視認性に優れた都心のリバーフロントであることも鑑み、
遠景からもシンボリックな印象を与えるレジデンスとなることを目指しました。
国際平和都市・広島の「記憶と未来を繋ぐ地」と調和する伝統と進取の気風を併せもつ「外観デザイン」。
庇の奥に空が抜けるよう高さを与え、夜の街並みに平和の灯として美しく灯る間接照明を仕込んだ「屋上庇」。
平和への祈りが込められた折り鶴に着想を得た、エントランス~建物内部の中庭へと繋がる「折り壁」。
アイボリーとブロンズを基調とした、モダンで落ち着きある佇まいを創出。妻壁の水平ラインを強調して、平和記念公園などから眺めた際にも、静かな存在感が感じられることを目指しました。また、本川に面したバルコニーのガラス手すりは2トーンを貼り分け(低層:重厚感あるダークカラー、高層:陽光にきらめくライトカラー)、豊かな表情のあるレジデンスとなることを追求しています。
平和の灯をイメージした「屋上庇」は、本物件のフォーカスポイントのひとつです。遠景から眺めた際、奥に空が抜けることで、リバーフロントならではの開放感をさらに引き立てています。また、庇には間接照明を仕込み、夜になると街並みにやさしく灯るようにしました。近景はもちろん、遠景から眺めた際にも印象的なデザインとなることを目指しました。
敷地形状に合わせて、庇を斜めに大きく跳ね出させたエントランスアプローチ。風除室の奥には、折り鶴からインスピレーションを得た「折り壁」が連なります。アプローチと「折り壁」の色調を合わせることで、奥へとつながる空間としての一体感を創出しました。
平和への祈りが込められた折り鶴に着想を得た「折り壁」を建物内部まで連続させることで、居住者や来客のアプローチゾーンとして通りに開放感と抜け感を演出。集合住宅というプライベートな空間をいかに街と繋げ、平和記念公園・原爆ドーム前の風景として調和させるかを目指しました。
エントランスホールの隣には、砂利・岩・植栽を配した「石庭」を設置。外出するときも、帰宅したときも、情趣豊かな風景でオーナーの心をやさしく解きほぐす迎賓の空間を目指しました。
広島市が主導した「水の都ひろしま」構想により整備され、美しくみずみずしい水辺の風景が広がる本川沿い。その河畔の絶景を存分に愉しめるよう、すべての住戸を川向きに配置。バルコニーから対岸の建物まで約170mの離隔距離を確保でき、通風・採光・眺望に恵まれた住戸計画を実現しました。
審査委員からの評価コメント
河岸のような恵まれた環境に立地する建物は、ともすると自らが風景を享受することばかりに主眼が置かれ、逆に川側からどのように見られるかという視点が疎かにされがちだ。この集合住宅はその点で、河岸の風景に十分に配慮して計画されたファサードが魅力的である。バルコニーの手すりや壁面の仕上げなどが統一的な色彩でデザインされ、さらに過剰な表層的デザインは抑制され、全体として見ると、建築が存在を主張するというよりは、むしろ一つの背景として消えていくようなデザインとなっている。そこが何よりも素晴らしい。