古社の由緒、風土と文化、都心の感性。
そのすべてを内包・融合する集合邸宅となることを追求。
コンセプト
千年余の歴史を宿す「大阪天満宮」に隣接する情趣豊かな地に、伝統とモダンが融合する集合邸宅をデザイン。
地域の新たな風景遺産として、末永く誇りと愛着を抱かれることを目指しました。
大阪天満宮本殿の背景となることを意識し、伝統とモダンが融合する滋味深い外観デザインを創出。
石畳のある街並みの情趣を敷地内へと引き込むよう、大鳥居に見立てた庇から間接照明が零れるアプローチを設計。
共用空間に天満切子のガラスアートを設え、「大阪ガラス発祥之地」である地域の記憶を継承。
大阪天満宮の拝観者からは、本殿の背景として視認できる立地であることを意識し、周辺環境と調和する外観意匠を追求。街並みに穏やかに融け込みつつ、確かな個性を主張するデザイン&マテリアルにより、歳月を経るほどに美しさと愛着を深めていく邸宅美を創出しました。
グレー×ダークグレーの重厚感あるカラーを基調に、銅板を曲線的にあしらった大阪天満宮の屋根に呼応するグラデーションのガラス手すりや鳥居に呼応する縦ルーバーやマリオンをあしらい、伝統とモダンが融合する凜とした佇まいをデザイン。オーナーはもちろん街ゆく人々にも、滋味深い存在感を感じさせるファサードを創出しました。
繊細なスクラッチ柄のあるせっき質タイル、グレーから乳白へとグラデーションをつけたバルコニーガラス手すり、そして基壇部には風合い豊かな天然石。こだわりを尽くしたマテリアルにより、豊かな表情を醸成しています。
大阪天満宮の境内からつづく石畳の小路。そこに現れる柔らかな光に包まれた大庇と基壇部の柱は鳥居を想起させ、情趣を継承し神域から寛ぎの私域へ繋がります。想起された鳥居の正中には印象的なエントランス風除室を配置。アプローチは正中を避け、奥へと誘う景石やピンスポットを配置することで、「静けさをくぐり、日常へ還るアプローチ空間」を目指しました。
繊細な格子柄の組子細工をあしらったエントランスを抜けると、コンパクトマンションとは思えないほどの広さを確保したラウンジコーナーへ。幻想的な光景を織りなす坪庭など趣向を凝らしたインテリアにより、心地よいやすらぎの時を織りなしています。
コンパクトマンションでは例の少ない、充実した共用部の品格を高めるため、和の情趣豊かな「設え」を随所に設置。ラウンジから見える坪庭には、積層ガラスと繊細な組子デザインパネルが外からの視線を緩やかに遮り、風除室にはガラスが融解する様子を日本古来の伝統技法「墨流し」風に表現したガラスアートや、水盤を光で表現した天然石のベンチを設け、ゆったりとした空気感を醸成しました。
天満切子の最大の特徴である蒲鉾掘り(U字カット)による柔らかな曲面が創り出す「鑑賞の美」と、グラスの底に刻まれた模様が飲み物(水)を注ぐことで側面に万華鏡のように映り込む「用の美」。この美しさを最大限引き出すために導光パネルを用いることで水と反射を再現、普段見ることの無い角度から天満切子を鑑賞できるガラスアートに昇華しました。「大阪ガラス発祥之地」というこの地の記憶を継ぐ設えとして、空間に美しい煌めきを添えています。

コンパクトマンションでは例の少ない、充実した共用部の品格を高めるため、和の情趣豊かな「設え」を随所に設置。ラウンジから見える坪庭には、積層ガラスと繊細な組子デザインパネルが外からの視線を緩やかに遮り、風除室にはガラスが融解する様子を日本古来の伝統技法「墨流し」風に表現したガラスアートや、水盤を光で表現した天然石のベンチを設け、ゆったりとした空気感を醸成しました。